2018.6.06

心身健康科学科(通信)人間科学部@通信

まずは知識があって行動に、そして勇気へと:心身健康科学スクーリングレポート

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大平

皆さんこんにちは。心身健康科学科4年生になりました大平です。

6/1~3に開催されました、心身健康科学概論・対面式スクーリングに参加させて頂きました(参加者は20数人でした) 熱気に溢れる・学びの深い時間があっという間に過ぎたような3日間でした。その様子を記載させて頂きます。

<1日目>
1時限目・藤原先生の「心身健康科学の目指すもの」からスタートしました。人間の理解を、こころ・からだ・文化の、総合的に学ぶことで客観的に見る能力を育て、自分自身が自立して判断し→決断する能力を培うのに必要だと感じました。また、老化のメカニズムで遺伝子の染色体の端の部分(テロメア)の長さが関係していることなど、とても興味深かったです。

2・3時間目は鈴木はる江先生の「脳・こころと体の相互作用のしくみ」です。

心身相関から、こころ・身体・脳の相互関係を学びました。それぞれが内分泌や免疫から感情まで、相互に調整している繊細な仕組みに驚かされます。また、ストレスには不快なものと、そうではない快ストレスもあり「負の相関」状態から、どのように「望ましい相関」状態に変えていくかが大切になると学びました。

◇その後、グループディスカッションのグループ分けと、自己紹介が行われました。近いがご縁で大平(特養看護師)は、病院看護師・学校の先生2人との4人グループになりました。最終日にはテーマに沿った内容をグループで発表します。なんて楽しい授業なのでしょう♪

4・5時間目は小岩先生の「認知脳科学から心身相関へ」です。

シナプスの可塑性や神経ネットワークのお話、また意識はどこで生まれるのかの興味深い動画や、学生の実際の脳波を測定した興味深い実験(?)内容は、引き込まれるような魅力がありました。

◇その後グループディスカッションが行われました。話し合いのテーマは「社会にある色々な課題に対し、心身健康科学の視点や特徴・アプローチが有効と考えられる事柄やその理由」などです。真剣な話しあいが行われる中で、グループでの人間関係が培われていきました。

<2日目>
6・7時間目は矢島先生の「栄養とサクセスフルエイジングの心身健康科学」です。

現代社会における栄養と心身健康の問題点やこころ・からだの老化などのテーマから、食品に含まれている栄養素やエネルギー代謝・血液脳関門のしくみ・腸内細菌と腸内フローラが健康や免疫に関係している・健康寿命・活性酸素とそれを除去する仕組み・長寿を阻害するもの・フレイル(老衰・虚弱)など、興味深い学びの機会となりました。

8時間目は藤原先生の「乳幼児のこころとからだと共感的コミニケーション」です。アタッチメント(愛着)の絆や心のダメージ、愛されてこそこどもは育つ、健全な心身を育むために、オキシトシンの話などを学び、子供の養育や今の大人にも通用する内容だと思いました。

9・10時限目は鍵谷先生の「女性のライフサイクルと心身の健康」です。女性の各種機能の年齢にともなう変化、外部・内部環境の変化とホメオスタシス、エストロゲンの脳作用、女性をとりまく環境の変化と心身の健康、更年期障害の症状、オキシトシンの多様な働きなどを教えて頂きました。女性ならではの特徴を知る事で、様々な配慮ができる知識に繋がると思いました。

◇その後2回目のグループディスカッションを行いました。心身健康科学を学ぶ興味深い授業を受けた事で、その内容を基にグループとしてどう内容を作っていくか、段々と話が進んできました。

<3日目>
グループディスカッションでまとめた内容をポスターセッション用紙にマジックで記載する作業は、メンバーで字の上手な方が担当下さいました。また、保育士を持つ方が可愛い挿絵を描いてくれました。それぞれの個性を生かして一つの物を作り上げることで、仲間との連携・チームだからできることがあると実感する機会になりました。

その後グループごとに発表(10分)と、その後の質疑応答がありました。大平のグループは人間関係のストレスに注目しました。ストレス過多が続くとおこりうる身体症状や、それに対応する方法に加え、どのような根拠でそのストレス対応法が有効なのかをあげました。そして、対応法の一つとしてあげた「とけあう体験」の実際を行った後、まとめを発表しました。プレゼンテーションを実際に行う、大変貴重な機会になりました。発表後に皆さんや先生から頂いた質問は奥が深くて、大変勉強になり、学びの深まる機会になりました。

◇授業を受けての感想
心身健康科学から、心身相関やこころ・からだ・文化を統合的に客観的にみることを学びました。授業が進む中で、人間関係においてストレスを与えるのも・癒すのも人であることに気づきました。心身健康科学を学び、まず自分自身がストレスに対して上手に対応できる能力を身に着け、そして過度なストレスを抱える人に支援ができるようになれたら、人間関係は良好になると思いました。それは、より良く生きる知恵を持つことに繋がると思います。

最後に頂いた久住学長のアドバイス「知識があって、行動に変わってきます、それが勇気になります。一つ一つの学びが統合して知恵になることを願っています」に、背中を押して頂いたと感じました。

また今回、人間総合科学大学で新しく作られた教科書「ヒューマン」の紹介もありました。心身健康科学の学びに繋がるとても大切な本になると思いました。是非読まれると良いなと思います。