人間科学部@蓮田健康栄養学科
【健康栄養学科・授業紹介】生化学実験
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「生化学実験」では、複雑な生体分子の反応と生命現象の関連について実験を通して学びます。
今回は「タンパク質・アミノ酸の定性試験」をテーマに授業を行いました。
人体には、約17%のタンパク質が存在し、その種類や働きは多様です。
我々人間の生体成分について実験を通し理解を深めましょう!
タンパク質・アミノ酸の検出に用いられる反応はこちら↓
①熱による凝固反応
タンパク質は加熱により変性して沈殿する。
②トリクロロ酢酸による沈殿反応
トリクロロ酢酸は強力なタンパク質沈殿剤であり、これ自体は負の電荷を持つので正に荷電したタンパク質を中性して沈殿させる。
③硫酸アンモニウム飽和溶液による塩析
タンパク質溶液に多量の電解質を加えると、タンパク質に水和している水分子が奪われ凝集・沈殿する。
④ビウレット反応
アルカリ性では、2個以上のペプチド結合を持つ化合物に銅イオンが配位し青紫色を呈する。
⑤ニンヒドリン反応
α-アミノ酸に共通な反応で、青紫色の化合物を生じる。また、ペプチドやタンパク質にも反応する。
⑥キサントプロテイン反応
芳香族アミノ酸のベンゼン核が硝酸のよりニトロ化されて起こる反応でオレンジ色になる。
名前を伏せたタンパク質とアミノ酸をそれぞれ3種類ずつ用意して、様々な反応を観察することで、どれが何なのかを決定していきます!
準備していた試薬はこちら↓
【タンパク質】
・卵白 1.0(w/v)%溶液
・ゼラチン 1.0(w/v)%溶液
・カゼイン 1.0(w/v)%溶液
【アミノ酸】
・グリシン 0.1%溶液
・トリプトファン 0.1%溶液
・プロリン 0.1%溶液
一部ですが、実験の授業風景です!
危険な試薬や火を使う実験もありますが、事前に先生が実験方法や注意点を丁寧に説明しており、授業中は安全に留意して実験を行いました。
コロナ禍での実験であるため、学生はマスクを着用し入室前の手指の消毒および使用した機器のこまめな消毒を徹底しています。さらに、密を避けるため1班あたりの人数を減らし、学生同士の距離を離して実験を行いました。
(健康栄養学科 教員 平子哲史)