2018.7.25

心身健康科学科(通信)人間科学部@通信

家庭や職場など、実際に接している今の環境ですぐ使える:コミュニティ心理学

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大平

皆さんこんにちは、心身健康科学科の大平です。6/30~7/1に開催されましたコミュニティ心理学・対面式スクーリングに参加させて頂きました(参加者十数人)。その様子を記載させて頂きます。

個人に変容を求めるばかりでなく、環境を変化させ「個人を環境で支える」アプローチを目指すコミュニティ心理学にとても関心を持ちました。もっと聞きたいと、どんどん姿勢が前のめりになり・時間の経過を忘れるような、そんな3日間でした。担当は萩原先生です。

「臨床現場ができないのに臨床心理学の先生というのはおかしいですよね」

1日目、萩原先生の自己紹介から始まりました。萩原先生はスクールカウンセラーをはじめ様々な所で心理の専門家として実務をされ、現在もそれらを継続されています。「臨床現場ができないのに臨床心理学の先生というのはおかしいですよね」の言葉に実務家教員の姿勢を感じ、引き込まれるような魅力を感じました。そんな萩原先生の実体験に基づくお話や、大事なポイント・分かり易い解説はとても勉強になりました。

また、自由な発言ができる場を設けて下さる萩原先生のもとで、各学生がそれぞれのバックボーンを基に色々な意見を出し合いました。各自の実体験に基づく話はとても迫力があり、それに萩原先生の経験談も加わる中、双方向で話し合えるのが対面式スクーリングの面白さだと感じました。

「伝統的個人心理療法の限界点」では、カウンセラーのもとを訪れる方は全体的には少数であり、心理的問題をもった人全てに対応できていない現実を知りました。「コミュニティ心理学の特徴」では、援助の開始を(実際の場に出向いて)早く・(グループ・地域社会など)多くの方に・援助をより簡単(浅く・短く・楽に、個人と環境のずれを減少させて、個人を環境で支える)に実施する事を目指します。コミュニティ心理学者の役割は、個人だけでなく家族や集団・コミュニティの変革を促進し、コミュニティの方たちと一緒になって考え・コミュニティの診断をして・まとめ役をする「参加型理論構成者」になると分かりました。

グループワーク

グループワーク(1回目)では4つのグループに分かれ「不登校の事例から①どんな原因がありそうか(下記画像左)②どんな対応が考えられるか(下記画像右)」を話し合い、項目ごとに発表しました。次から次に意見が出て、とても興味深かったです。

続いて「介入・援助の方法①予防的介入・介入のレベル」を学びました。予防的介入には第一次予防(発生予防)・第二次予防(早期発見・早期介入)・第三次予防(障害を持つ個人と社会のつながりを回復する・深める)があり、介入には6つのレベルがあると分かりました。「コミニティアプローチの実際①児童虐待」では実際の事例からの動向をから、アプローチの仕方を学びました。

 

どのように被災者支援をするのが良いのかを具体的に考える機会になりました

2日目、「コミニティアプローチの実際①児童虐待」の続きからスタートです。参加学生から虐待の早期発見とその対応についての意見が出たり、それらの体験談が話されました。萩原先生の解説で、支援が全員に届くシステムを作る事が大事になると分かりました。「コミュニティアプローチの実際②スクールカウンセラー」では、萩原先生の経験談や、スクールカウンセラーの職務・役割・特徴等を教えて頂きました。萩原先生の実際に体験されているからの深いお話は、この対面式スクーリングだからこそ伺える貴重さを感じました。「介入援助の方法②危機介入」では、危機の意味や定義、危機状態の過程や特徴と、その臨床的意味を伺った後、実際の事例を学びました。

グループワーク(2回目)では4つのグループに分かれ、ある事例に対し①面接でどんな事を質問するか②面接中や面接後にどんな言葉かけをし、どんな対応が考えられるか、を話し合い・発表しました。

「コミュニティアプローチの実際③被災者支援」では、萩原先生が被災地にボランティアとして行かれたり・NPO法人として活動されている内容を伺ったり、支援する人を守る心理的デブリーフィングや、トラウマ反応や被害者はある程度落ち着いて時間が経過した幻滅気に精神的に落ち込みやすい状態になることなどを学びました。色々な災害がある中で、どのように被災者支援をするのが良いのかを具体的に考える機会になりました。「介入・介助の方法③コンサルテーション(※異なる専門性をもつ複数の者が、援助対象である問題状況について検討し、よりよい援助の在り方について話し合うプロセス)では、相手の専門性を大切にして強化したり、何か一つでもやれる内容となるおみやげを渡すこと、短時間でケースの臨床像を明確にしたり、集団力学を把握してそれを動かす知識と技能が必要になる事などが分かりました。

グループワークとして、学校を休みがちになったある生徒の事例から、各学生が優先順位が高いと判断した情報を伺う為に、(担任の先生など)その人に関わる誰にどのような質問をするかを考え質問し、萩原先生が一人多役でそれに回答するという、とっても楽しいワークが行われました。何を質問するかを具体的に真剣に考え→実行する貴重な機会となりました。また萩原先生演技が大変リアルで面白かったです!

その後、エイズ予防財団作成の動画を拝見し、主人公の男性を取り巻く人間関係とサポートネットワークについて学びました。2日間の感想や先生への質問等を用紙に記載し終了となりました。

 

各学生が自由に意見を述べる座談会形式

3日目、萩原先生がこれまで学んだ内容の振り返りをして下さり、それに各学生が自由に意見を述べる座談会形式?で始まりました。そして、(昨日記載した)学生から出た感想や質問に萩原先生が答えて下さったので、その内容を皆でシェアする事ができました。

「コンサルテーションの実際-事例をもとに」では、実際のコンサルテーションの(コンサルティの問題の捉え方の枠組みを変える等)方略・手法を学びましたが、その内容はプライベートや職場など、どんな状況にも有効に使えると感じました。「解除援助方法④サポートネットワーキング」では、周囲からの支援を活用して人を援助する方法について等を教えて頂きました。「コミュニティアプローチの実際④HIV/エイズカウンセリング」では、先に鑑賞した動画の内容を踏まえ、ソーシャルサポートとそれらを支える重要性などが分かりました。「ストレス理論とストレスマネジメント」では、ストレス研究やストレスモデル・ストレスコーピングなどを学びました。

最後に「(あるコミュニティ)における(何かの問題)に対するコミュニティアプローチ」を一つまとめて、ポスター用紙に記載し発表する・グループワークを行いました。虐待や障害者の雇用・マタニティブルー・認知機能が低下した高齢者支援・SNSの炎上などの意見が出され、各学生がそれぞれに、興味のあるテーマに分かれてグループとなり、内容を作成していきました。大平(特養看護師)は足矯正補助具ケアされている方と、2人の子育てお母さまの3人で「自治会における、認知機能の落ちている高齢者に対するコミュニティアプローチ」について話し合い、①予防的介入②介入の仕方③サポートネットワーキングについてまとめ(下記画像)、発表しました。質疑応答では具体例への対応の仕方等の質問を頂き、現在の実情をからの実態や今後の課題について再確認する機会になり、学びが深まりました。

<受講を終えてのまとめ>家庭や職場など、実際に接している今の環境ですぐ使える内容

個人に変容を求めるだけではなく、様々な障害を環境の中でとらえ、個人と環境の双方が適応するように変えていく、コミュニティ心理学の視点はとても大切であり、インパクトを感じました。自身を振り返り、実際に職場などで、ある人物にだけに変わる事を求めても→上手く行かなかった経験を思い出しました。萩原先生は(一人とじっくり向き合う)①カウンセリング能力は大切であり、それに加えて②コミュニティ心理学と、①②の両輪で実践していく大切さを教えて下さいました。また、コンサルテーション(コンサルタントがコンサルティの抱えている特定の問題を、コンサルティの仕事の中でより効果的に解決する関係)的な関りから、その人を支えるサポートネットワークを築いていく必要性が分かりました。コミュニティ心理学は僕の家庭や職場など、実際に接している今の環境ですぐ使える内容であり、それを学べる至福さを感じました。